《イラン人のキリスト教牧師》

日本には多くの在日外国人がいます。在日外国人の中にも、多くの人種、多くの思想信条を持った方々がいます。しかし、イラン人のキリスト教牧師は、どの国でも、なかなかいるものではありません。

小田原市で日本のキリスト教会の牧師をしているイラン人のアリ・レジャイアンという人がいます。イスラム教国のイランで、アリさんはクリスチャンになりました。アリさんは小さい時から大変苦労して育ちました。アリさんが生まれて半年後にお父さんが亡くなり、お母さんは何度も再婚を繰り返しました。十歳の時、荒れた家を出てストリートチルドレンになり、橋の下で寝る生活をしました。幸い、親戚の人に助けられ、高校に入ってサッカーに打ち込み、いいところまでいきました。

ところが、イラン・イラク戦争が始まり、戦争が長く続く間に、国も人の心も疲弊してしまいました。そんななかでアリさんは、「生きることに疲れてしまった。自分なんて、いてもいなくてもいいんだ」とまで思い、死を決意し、川のほとりに横たわったこともあったほどでした。

 やがて兵隊となり、戦場に行きました。そこで一人のアルメニア人の兵士に出会い、アリさんの人生は変わるのです。何もかも不足し、他人のものを取って食べるのがあたりまえという状況で、その兵士は自分の食べ物を人にあげたり、また、自分の持っている物を人に分けてやったりするのです。

 アリさんは、このアルメニア人の兵士に聞いたそうです。「どうして、そんなことできるの?」そうしたら、その兵士はこう言ったそうです。「それは、私の内におられるイエス様のおかげだよ」と。アリさんはそれから聖書を読み始め、イエス・キリストを知りました。

イスラム教ではキリストのことを、決してけなしているわけではないのですが、しかし神としては扱ってはいません。イスラム教では、イエス・キリストのことを多くいる預言者の中の一人の預言者として扱っています。アリさんもそのように聞いて育ってきました。

 しかし、アリさんはそのアルメニア人兵士に会ってから、イエス・キリストについての理解が変わりました。アリさんは、イエス様は汚れた自分を赦し、きよめ、永遠のいのちを与える救い主(すくいぬし)だとわかった、と言っています。またアリさんは、イエス様は今も信じる人のなかに生きて働いておられる救い主であるという真理を体験したと言っています。

 やがてアリさんは、あこがれの日本に来て、牧師になる教育を受け、今、流暢な日本語でユーモアたっぷりにイエス・キリストの救いと、神の愛を伝えています。
(「世の光」「ライフ・ライン」安海靖郎バイブルメッセージより抜粋)

 私たちは、自分で自分を変えようとしてがんばっても、根本的に変えることは不可能です。しかし、プライドを捨てて、全能の神の前にへりくだり、神が私たちに遣わしてくださった救い主(すくいぬし)イエス・キリストを心の中に受け入れる時、人の魂の中で新しいことが起こります。

「だれでもキリストのうちにあるなら、その人は新しく造られた者です。古いものは過ぎ去って、見よ、すべてが新しくなりました。」(新約聖書Tコリント5:17)

アリさんは神秘的な体験をしたのではなく、自分で聖書を読むということをしました。ぜひ正しい導きと理解の中でキリストを知っていただきたく願っています。そしてぜひ、こちらにおいでください。教会では、あなたのおいでをお待ちしています。
(大泉聖書教会牧師池田尚広