《キリスト教の結婚式》

最近ではキリスト教式の結婚式を挙げる人が増えています。キリスト教式の結婚式のひとつの特徴は、当事者である二人が神のまえに誓う誓いのことばにあります。

ドラマや映画などで、次のようなことばを聞いたことはないでしょうか。

「健やか(すこやか)なる時も、病める時も、富める時も、貧しき時も、いのちの日の限りあなたの妻を愛することを誓いますか」

これは牧師が新郎に問うことばで、新郎は「はい、誓います」などと答えます。そして、新婦にも同じような問いをして、新婦も誓います。

そのあとに、牧師は会衆に対して、「この二人は神と証人との前で真心から夫婦としての誓いをいたしました。ここに私は父と子と聖霊の名によってこの男女が夫婦であることを宣言いたします。人は神が結び合わせたものを引き離してはなりません」というような宣言をするのです。

心に思っていることを、口に出して誓うということはひじょうに重要です。

また、二人の誓いが結婚の中心にあるということは、結婚は家と家がするものではなく、二人がするものであることを示しています。互いの家族を尊重するということは必要ですが、夫婦のあいだに親が入ったりすることは健全な夫婦関係を築くためには良いことではありません。以前からよく言われていることの一つに、結婚をする男性とその母親が親離れ・子離れできていなくて、妻に不満が溜まってやがて離婚に至るというケースがあります。

キリスト教の結婚式の場合、次の聖書箇所が読まれることがあります。「それゆえ、男はその父母を離れ、妻と結び合い、ふたりは一体となるのである」(1)

これは精神的・経済的に自立することを意味しています。

 キリスト教式で結婚式を挙げる場合、たいていの牧師は事前に結婚カウンセリングを数回行います。そこで、親からの精神的・経済的自立のことや、一般のカウンセリングのように男性と女性の違いや、コミユニケーションをとることの大切さなどを伝えます。

ところで、アメリカ社会では2組に1組が離婚をしていて、日本では3組に1組が離婚をしています。アメリカ社会はキリスト教を基にしているのに、なんでそうなのかと思っておられる人も多いかもしれません。簡単に説明すれば、現在のアメリカは昔のようなキリスト教を基にした社会ではなくなっているということが言えます。

『大草原の小さな家』という作品を御存じでしょうか。本としてあったものを、アメリカのNBCテレビが1974年からテレビドラマとして放送して有名になりました。テレビドラマ化の動機は、1970年代になってアメリカ社会で家庭崩壊が顕著になってきたので、今まで自分たちは何を土台にしてきたのかを思い出してもらうということが主旨だったそうです。原作者のローラ・インガルス・ワイルダーが生きていた頃、村の教会はウィークデーは子どもたちの学校でした。また、村の住人たちが会合のために集うのも教会でした。ドラマでは村人が教会の中で話し合いをしていて、どのように判断するべきかを迷っていると、ある者が「聖書にはこのように書いてある」と発言するようなシーンもあるそうです。

 NHKでもそのドラマが1975年から日本語吹き替えで放送されました。アメリカの習慣を土台にした作品を、果たして日本で放送して良い結果が得られるかどうかNHKでは議論があったそうですが、大きな反響を得ただけではなく、視聴者から再放送の依頼が多くあって結局数回再放送がされました。

ただ、アメリカ社会が古き良き時代を取り戻せたかといえば、その答えはNoです。しかし、アメリカの古い時代に土台とされていたものは日本人にも良いと思われたのです。聖書の示す結婚観が人を本当に幸せにするように、現実に役立つことがその他にも聖書には多く記されています。ぜひ、教会においでください。お待ちしています。

〔大泉聖書教会 牧師池田尚広〕

(1)旧約聖書創世記2:24

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